発生場所,発生日を異にする複数の交通事故と共同不法行為

京都地裁平成30年6月25日判決(交民51巻3号755頁)

当事者

X:原告(第1事故の被追突車両運転者,第2事故の被追突車両運転者)

Y₁:被告(第1事故の追突車両運転者)

Y₂:被告(Y₁の使用者,Y₁運転車両の運行供用者)

Y₃:被告(第2事故の追突車両運転者)

Y₄:被告(Y₃の使用者,Y₃運転車両の運行供用者)

事案

平成24年10月4日,大阪府泉大津市内において,Y₁運転車両がX運転車両に追突するという事故が発生(第1事故)し,Xが負傷した。

その後,平成24年12月22日,京都府城陽市内において,Y₃運転車両がX運転車両に追突するという事故(第2事故)が発生し,Xが負傷した。なお,第2事故発生当時,Xは第1事故による負傷について治療中であった。

Xは,Yらに対する損害賠償請求において,第1事故,第2事故について民法719条1項後段の共同不法行為が成立し,Yらは全損害について連帯して賠償義務を負う旨主張した。

裁判所の判断

民法719条後段の共同不法行為が成立する場合

民法719条後段の共同不法行為は,損害全体の連帯負担という義務が課されることに照らし,複数の加害行為が時間的,場所的に近接する等,客観的に1個の加害行為であると評価できる場合に限って成立するものというべきである。

共同不法行為の成否

本件各事故は,いずれも異なる場所で発生しており,また,第1事故から第2事故までは2か月以上の時間的間隔が空いているのであって,本件各事故は,時間的,場所的に近接しているとはいえず,客観的に1個の加害行為であるとは評価できない。

共同不法行為が成立しない場合の責任

被告Y₁,Y₂が責任を負うのはXの損害のうち第1事故と因果関係のある損害であり,被告Y₃,Y₄が責任を負うのはXの損害のうち第2事故と因果関係であり,第2事故以降の損害項目については,第1事故と第2事故が寄与しているから,寄与度に応じて割合的に本件各事故に振り分けて負担を求めるのが相当である。