被害者の夫が経営する串かつ店の営業停止による損害と交通事故との間の相当因果関係の存在を否定した例

大阪地裁平成30年6月29日判決〔自保ジャーナル2030号158頁〕

当事者

X1:原告(自転車運転者)

X2:原告(X1の夫)

Y1:被告(Y2の使用者)

Y2:被告(四輪車運転者)

事案の概要

平成27年11月15日,Y2運転車両が交差点で右折したところ,横断歩道上を走行中のX1運転車両と衝突した。

X2は,X1はX2経営の串かつ屋の共同経営者であり,この串かつ屋は事故翌日から平成28年1月末日まで営業停止を余儀なくされたとして,Yらに対し,串かつ屋の固定経費等(家賃,ごみ処理代,光熱費)の賠償を請求した。

裁判所の判断

X2は,串かつ屋を経営しているが,X1は,同人の妻であるとはいえ,給与を受け取っており(争いがない),証拠上,営業利益の配分を受けているなどの事情は伺えず,不動産物件の賃借や造作の購入なども,X2名義で行っているものと認められるから,X1が,串かつ屋の中で重要な役割を担っているとしても,法的には従業員にすぎず,共同経営者であるとはいえない。

そうすると,X2の損害は,従業員であるX1の出勤が困難になったことによる,X2の営業に対する間接損害ということになるが,証拠上,被告らが,串かつ屋に損害を与えることを予見すべき特段の事情があったとは認められない。

よって,X2が請求する営業停止による損害は,本件事故と相当因果関係がない。