【交通事故】事故発生時から長期間経過した後の症状悪化と事故との因果関係

神戸地裁平成26年10月17日判決(自保ジャーナル1940号116頁掲載)

【事案の概要】
原告は,平成17年5月27日発生の追突事故により負傷し,事故翌日の平成17年5月28日,頸椎捻挫,腰臀部挫傷との診断を受けた。その後,原告は,休業することなく就労を継続していたが,平成18年6月ころから症状が次第に悪化し,仕事を休みがちになり,平成18年12月以降就労困難となって,平成21年3月末で休業した後退職した。現在でも,歩行困難なため車椅子生活を送っている。原告が通院した複数の病院のうち,低髄液圧症候群,外傷性低髄液圧症候群,脳脊髄液減少症との診断を下した病院もある。

【裁判所の判断】
「事故による外傷であれば,症状は時間の経過に伴い軽快するのが通常であり,本件のように事故後1年以上も経過した後に顕著に悪化することは考えがたい」等の理由から,脳脊髄液減少症と事故との間の因果関係を否定した。

【コメント】
本件において,裁判所は「事故による外傷であれば,症状は時間の経過に伴い軽快するのが通常」という経験則を用いて,事故との間の因果関係を否定している。本件のように事故から長期間経過した後に症状が突如悪化したという事案の場合,訴訟において,受傷者側はその悪化の原因についても丁寧な主張・立証活動を行う必要があるだろう。

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